駿河路や 花橘も 茶のにをひ
                
                芭蕉

2010/02/05

煎茶

煎茶は一番普及されている日本茶です。全国の栽培面積の7割弱を占めています。

要に、日本茶と言えば、煎茶は一番当たり前のお茶になっています。しかし、日本のお茶の歴史からみると、煎茶は比較的に”若い”お茶です。1738年に、永谷宗園という宇治のかたによって発明されたとされています。しかも、長い間、上級階層に限られていた高級商品でした。幕末から、大事な輸出用の商品として開発されました。一般の日本人が飲めるようになったのは60年代からです。

さて、煎茶はどうやって製造されているのか。
緑茶なので、不醗酵茶です。酸化酵素を止める為には、生葉を摘んだ直後、茶工場へ運んで、蒸し機で蒸す。

その蒸す時間はとても大切です。その時間によって、「普通蒸し煎茶」か「深蒸し煎茶」のどっちかになります。
昔から、約30秒は習慣でしたが、70年代に、静岡県の牧之原を初めに、さらに長く蒸すようになりました 。1分から2分まで。そうすれば、出来上がった商品はちょっと粉っぽくなりますが、浸出しやすくて、甘みもでます。でも、香りは結構落ちます。それは深蒸煎茶。
普通蒸し煎茶ですが、浅蒸し煎茶という言い方はあるのですが、関西の業者がかなり気に入っていないようです。「30秒に蒸すことは昔からのやり方なので、浅くない!普通です!」っていうような怒り。まー、どっちかというと、筆者は賛成します。これからもずっと普通蒸し煎茶という言い方を使います。

さて、蒸し程度が終わったら、茶葉を冷却機 へ移動します。

次は、葉っぱを揉むことにします。目的は、茶葉の成分を浸出しやすくすると、乾燥。
最初は祖揉機:圧力や熱
次は、柔捻機、圧力のみ
そして、中揉機、やや圧力や熱
最後に、精揉機、 圧力や熱。その機会が茶葉の独特な針の形を与える。

この段階で、茶葉には13%位の水分が残っています。
水分を5%まで下げるために、乾燥機に投げます。

この段階で、生産者の仕事が終わったが、まだ完成品ではありません。
この製品は荒茶と言います。
問屋さんなどが荒茶を購入して(茶市場などに)、仕上げ工場へ荒茶を送ります。
この工場で行われているのは、大体次のこと:
・仕上げ製品である煎茶の風味を決定的に左右する火入れという仕上げ乾燥(水分3%まで)
・粉、芽、茎の選別。
・包装など

上級煎茶の美味しい淹れ方とは?

はっきりいいますが、THE淹れ方がない。お茶や好みなどによって、美味しく感じられる淹れ方は違いますが、是非知っておきたい基礎があります。

煎茶を美味しく淹れるには、ポイントは4つあります:
①茶葉の量
②湯の量
③湯の温度
④浸出時間

①と②に関しては、皆さんが思っているより、茶葉の量はかなりたっぷり使います。
超高級煎茶を除けば、大体、一人分は茶葉3g(ティースプーン一杯)で、湯は70cc 。だた、一人分だけ淹れる場合には、茶葉を5gにしましょう。

③はですね、お茶により、違いますが、70度ぐらい。ここも又、超高級煎茶の場合、更にぬるいお湯で淹れる。
温度に関しては、味を決めるお茶の成分がどうやってお湯に浸出するかということを分かれば、お茶の特徴や自分の好みに合わせて、温度をうまく調節できる。
お茶には、テアニンというアミノ酸が旨みや甘みの成分で、カテキンというポリフェノールが渋みの成分です。
テアニンはお湯の温度に関わらず浸出するのに対して、カテキンはお湯は熱ければ熱いほど沢山浸出します。つまり、お湯はぬるければぬるいほど、甘い煎茶が淹れられるのです。逆に、渋みを引き出す気分であれば、お湯をもうちょっと熱くしたらよいです。
その簡単のルールさえ分かれば、上手に美味しいと感じる煎茶が淹れられるんです。

筆者のアドバイスとしては、初めて淹れる新しく購入した煎茶をとりあえず70度ぐらいで淹れて下さい。その結果により、次回、自分のお好みに合わせる為、お湯をぬるくするか熱くするかを決めてください。

お湯自体のことですが、軟水が日本茶に適しています。日本の水道の水を使えばよいですが、70度で淹れても、必ず5分ぐらい沸騰させて下さい。そうすると、カルキ臭を完全に飛ばせます。

「えー、お湯が冷ますまで待つのいやだなー!」と思ってしまうかたが多いと思います。勿論、ずっと待つわけには行かないよ!コツがあります。お湯を別の器へ入れると温度が7-8度ぐらい下がります。自分で計算してみたら・・・

④最後に、浸出時間。ここにも、使っているお茶やお好みによって、違います。

とても粉っぽい深蒸し煎茶の場合、30秒で済むのですが、ちゃんと硬く撚れて、茶葉の比較的に大きい普通蒸し煎茶だと、1分半まで浸出させることもあります。
ちょっとだけ経験を重ねたら、お茶の見た目でその時間を判断できます。
よく分からない場合は1分で行きましょう。

じゃー”実際”に3人分を淹れて見ましょう。
まず、お湯を70度まで冷まします。ポットのお湯は90度なので、急須に淹れて、数秒ぐらい待ったら、80度になります。それぞれの湯呑みの8分目(煎茶用の100ccの小ぶりの湯呑みの場合)までに入れたら、70度近くになります。そうすれば、お湯の量を正確に測れるメリットもあります。
(写真の場合には、最初ポット → 湯呑み → 湯冷まし)









次に、茶葉を急須に入れます。3杯分で、8g。ティスプーン3杯。









 湯呑みの冷めたお湯を急須にいれて、蓋して、味が出るまで1分待ちましょう。

最後に、とても大切なのは、お茶の量や濃さが同じになるように、少しずつ何回もに分けて、廻し注ぎをすることです。最後の一滴まで淹れてください。









2煎目は湯の温度を10度弱くらい熱くしたらよいです。お湯を急須に入れてから、待たなくて、すぐ注いでもいいです。


一つの煎茶だけで、お湯の温度や浸出時間の差異を考えたら、無限に近い風味の可能性があります。その可能性を全国に生産されている煎茶たちにかけたら、風味の多様性は無限にあります。お好みに合う煎茶は必ず沢山あります。

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